(あれを、レイノルド様に伝える? 言っても、してくださるかどうか)

 一人で思い悩むマリアを、レイノルドは期待に満ちた瞳で見つめている。

 青い瞳が潤んでいるのを見て、あ、とマリアは気づいた。

 彼は、多分、その答えを自ずと知っている。

 なぜなら、レイノルドも恋をしているから。
 恋人たちは、誰に教わらなくても分かってしまう。

 夜空の下で、何をするのか。

「き、キスをしますわ……」