貴族の若者と結婚前の令嬢が、後見人も連れずに一緒に星を見るだなんて、家に知られたら大変なことになる。
 令嬢たちは、令嬢同士で集まって星を観察する、という名目で集まるらしい。

「あんたが来ないなら俺も行かない。行くなら行く。どうする?」

 レイノルドは顔を上げた。悩むマリアを見つめる瞳は猫のようだ。
 期待とちょっとの不安。でも、誘わずにいられない欲が顔を出している。

 マリアは、ふふっと微笑んで頷いた。

「かしこまりました。わたくしも参りますわ。ただし、一つお願いがあります――」