一考したマリアは、ふと思いついた。

 緊張した面持ちで左の方のカップを持ち上げて、薔薇の絵が入った白磁に唇をつける。
 砂糖が溶けて甘くなった紅茶を口にふくんで、こくりと喉を動かし、そして――。