「そこまで言うなら……する」

 マリアが押し切る形で、レイノルドとの待ち合わせデートが決まった。

 日取りは次の祝祭日。
 マリアは、カレンダーに予定を書き入れて毎日見返しては、この日が来るのを待ちわびた。

 レイノルドに未練を残すネリネの存在が気になったものの、目に見える妨害活動が行われることもなく、ついにデート当日――。


 いつもより二時間も早起きしたマリアは、さっそく支度をはじめる。

 洗った顔をローズ水で保湿し、髪はイノシシ毛のブラシで丹念に梳いてツヤを与えた。むくみを取るために、手足と顔に香油を滑らせて、丹念にマッサージを行う。