【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい

 つぶやいた国王は、王笏を支えに立ち上がった。集まった貴賓たちを見回しながら、重みのある声を響き渡らせる。

「第二王子レイノルドに、第一位の王位継承権を与える! 第一王子アルフレッドは第二位に降格する。心を入れ替え、レイノルドの側近の側近として学ぶように」

「俺が……兄貴よりも上に?」

 レイノルドの震える声に耳を澄ませていたマリアは、ここで枯れてもかまわないと思った。元より国王に進言する資格などない。地位も権力も持たない令嬢が王位に口を出すなんて、あってはならないことだった。
 今ごろ、父は席で青くなって泡を吹いているにちがいない。

「マリアヴェーラ・ジステッド公爵令嬢」
「はい」