【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい

「ほう。元側近たちはなんと?」
「レイノルド様の元になら戻ると約束してくれました。皆、第一王子より第二王子の方が優秀だと気づいておられましたわ。彼らの代弁者として、ここで進言いたします」

 扇を閉じたマリアは玉座から離れて旋回すると、両手でスカートをつまみ、それはそれは美しい所作で深くお辞儀をした。
 華やかなドレスが、大輪の花が開いたようにひらめく。

「第二王子レイノルド殿下を、第一の王位継承者に。そうすれば、この国は魔法などなくても栄えるでしょう」

 マリアの言葉に、聖堂に集った人々がざわついた。ただの公爵令嬢が、国の方針をひっくり返そうとしているのだから当然だ。
 賛同者はいないと思われたが――それまで沈黙していた王妃が、にこりと微笑んで国王に耳打ちした。すると、国王の顔つきも楽しげに変わる。

「高嶺の花に見初められた王子が国を動かすか……。面白い」