確認するよりも早く、翔飛が私を抱きしめた。

突然のことすぎて、心臓がドキドキして、今の状況についていけない。

え、わたし今、翔飛に抱きしめられてる!?

しかも、ドキドキしてるのは私だけだと思ったのに、翔飛の心臓も同じくらい速くて、

その事実に二重の意味でびっくりする。

「なんで泣いてるのかは分かんないけど、泣きたい時は泣いていいんだよ」

そのひとことに、今まで固く鍵を掛けていた扉が、カチャって音を立てて開くのが分かった。

閉じ込めていた好きの気持ちが止めどなく溢れる。