上原家である僕の家は、昔から温かい家庭だった。 父と母は共働きで忙しかったが、5歳年上の兄がよく面倒をみてくれていた。 勉強も運動もそこそこできた僕は、クラスの人気者だった。 それはこれからも変わらないあたりまえのことだと思っていた。 どこから間違ってしまったのだろう。 いや、最初から間違っていたのかもしれない。 運命の歯車は回りはじめたばかりだ