邪魔、なんだ。
涙がぐっと込みあげてきた。
「健司…もう、良いよ。」
「愛莉…。」
私は健司の制服の裾を引っ張る。涙が溢れないように、無理やり笑顔を作りながら。…そして、今度は浩介の方へと視線を移した。
「浩介…。」
「…愛莉、俺との約束は?教室で待ってろって言ったじゃん。俺と帰るんじゃねぇのかよ!」
いつも笑顔で
冗談ばっか言って
優しかった浩介が私に向って声を上げる。
…初めて、怒られたかも。
最初で、最後、か。
「浩介、駄目だよ。…心配しちゃうよ?」
「誰がだよ!」
健司が私の手を取る。
「…彼女いんだろ。」
「は?」
私が言えなかったその一言を健司が発する。
ずっきん。
胸が抉られるような、そんな気がした。
「誤解、されちゃうよ。」
違う。
こんなこと、言いたいんじゃない。
好き、好き
ねぇ、私を見て。
「彼女は大事にしなきゃ。」
…嫌だよっ。
離れたくないのに…
「だからっ…「さっきから何?言っている意味、分かんないんだけど。」
ツカツカと私たちの方へと歩み寄ってきた浩介は無理やり私の腕を掴むと健司から強引に引き離した。

