君、思う。[短篇]




でも、気付きたくなくて
私は他の人に逃げた。


「…本気?」

「当たり前、でしょ。」


もちろん、
好きなんかじゃなかった。

告白されたから
ただなんとなく頷いただけ。


気持ちなんて
これっぽっちもなかった。



「…そっか。」



いつも光っていた浩介とは正反対の私は、"好き"という感情を堪えるしか隣にいることは許されなかった。


幼馴染、
その関係だけ。









もちろんこんな恋愛
続くはずが無くて。


初めての彼氏と別れたのは3週間後。賞味、21日の恋。




その次も、
その次も、


結局ふられて終わり。
まともな恋愛なんてしたことがなかった。





「愛莉が悪いんじゃないよ」


そのたびに
浩介に慰められてたっけ?

結局最後、私の頭を撫でてくれるのは浩介だった。






好き
凄く好き。


でも、言えなかった。
この関係が崩れるのが嫌だったから。








でも。
もう終わりなのかな。

浩介に彼女が出来た今、
私の居場所はもうない。












「私…」


一度逸らした視線が
もう一度絡んだ。