君、思う。[短篇]







昔から浩介が羨ましかった。

可愛くて、溌剌としてて
それでもって頭もいい。


「愛莉」

そう呼ばれて抱きつかれるのも、決して嫌ではなかった。





きっと小さい頃から
私は浩介に引かれていたのかもしれない。






「愛莉、大丈夫か?」

「…ん。」


勝手に巻き込んでしまった健司。
それでも私を心配そうに気遣ってくれる。なんて優しい人なんだろう。




あれから真っ直ぐ玄関へ向かい
校門を出ようとしていた。




「なんか、ごめんね。」

「何言ってんだよ。隣の誼だろ?……それに。」






そう言葉を続けた健司はぴたっと足を止める。

「?」



「俺、相当性格悪いし。」

「え?」


振り返った健司の顔は
何だか少し寂しそうだった。


「今、チャンスだと思ってる。…無神経かもしんねぇけど、最低かもしんねぇけど…俺、愛莉のこと…」



…何。
何を言おうとしているの?




きゅっと鞄を持つ手に力が入った。





「ずっと、好きだったから。」

「…」




余りの突然の告白に
私は言葉を失った。


カタカタと震える私の体。
真っ直ぐと私を捕えるその瞳。




健司…。







「わ、私ね」



















「浩介ー。私、彼氏できた。」

中学3年。
私に始めて彼氏が出来た。

というか、
無理やり作った。

「はぁ!?」

そう私が報告した時の浩介の顔が今でも忘れられない。




自分の小さな小さな
恋心に気付いてしまった中学3年。


もしかしたら、私
浩介の子とが好きなのかもって。