「……佐川ちゃんさぁ。どうしたの。私目立つ行動をしないように忠告したよねぇ? ほら見て見て、周りの子も気に入らないみたいだよ?」
田中は周りにクラスメイトがいるからか、あからさまな悪口を言うことはなかったけど、チクリとした嫌味を笑顔に含ませた。
確かに、田中の取り巻き達は田中と違って知能数が低いのか、闘争心を隠そうともせずしっかりと睨んでくる。
……馬鹿みたい。そんなに睨んでも何も出ないのに。
田中達いじめっ子全員に話をするつもりだったけど、こんな猿たちに時間を使うなんて冗談じゃない。
やっぱり私の敵は田中、ただ一人だけだ。
私はそれを確認すると、少し息をついた。
それから顔を上げ、唇の端を持ち上げてニコリと優しく微笑む。
「田中ちゃんは……私は気でも狂ったのかって、そう思ってる?」
「……は?」
急にそういうと、田中は目を大きく見開いて、小さく声を漏らした。
急に何……? って、顔してる。
あはは。そんな顔をしている田中が間抜けで楽しいなんて、おかしいかな。
本当に私は気が狂っているのかもしれない。
でも、今はそれに優越感を感じている場合ではない。
このまま畳みかけるんだ。


