死にたがりな君と、恋をはじめる


まじまじと見つめられて訝しげに思っていると、ふっとレイは口元で笑う。









『どういたしまして』



「っ……」











その笑みに、私は目を見張る。











口角は上がっていて声色も明るかったけど、その目は少し影掛かっていて何も言えずに困惑する。










少し首を傾げ黙っているとレイは再び小さく笑って、くしゃっと頭を撫でてくる。













いつも通り少しの温かさと風が通るような感覚に、私はうっと肩をすくめる。











乱暴な手つきに顔をしかめて、それでもジッと耐えていた。










……レイ、なんだか様子が変?








しばらくじっと何も言わずに身を固めていたけど、あまりにも長い間だったものだったから、我慢できずにぷくっと口を膨らませた。







そしてそれから、くわっと牙をむいた。











「っちょ……き、急に何?」





『あははっ』










楽しそうに撫でまわされて、俯きがちにレイの顔を睨んだ。










それから思い直して、眉を下げた。









「レイ、あのさ……」






『さっ。帰ろ~』












少し言いかけるけどレイが言葉を重ねてきて、口を閉ざす。












レイ、やっぱり少し様子が変だ。








でも、急になんで……?








悶々と考えていると、レイは一人で歩き出す。











頭の後ろで手を組み数歩歩き、それからこちらを振り返る。