死にたがりな君と、恋をはじめる

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数分後。





ようやく泣き止んだ私はにこにこと茶化すかのような笑みを浮かべるレイの前で赤面していた。








『奈月。落ち着いた?』




「……何が?」








レイの言葉に、私はムッと唇を膨らませた。










「私、泣いてないから」





『え、じゃあさっき目から溢れていた液体って何だったの?』








「……天然水」



『天然水⁉ ただの水じゃなくて天然水?』











私の返事に目をぱちぱちと大きく動かしたレイからプイっと顔をそむけた。








さっきからレイは、私が泣いていたことをここぞとばかりにからかおうとしてくる。









……まあ実際、自分でも顔から火が出るほど恥ずかしいんだけど。








子供でもないのに大泣きするなんて、自分で自分が信じられない。







それも人の前で……。





いや、レイは幽霊だから人じゃないんだけど……。





それでも、恥ずかしくてもレイのことを幽霊としてしか認識しなかったり、幽霊なんかの前で泣いちゃって恥ずかしいとは、思わなくなった。




……それは少し、進歩かもしれない。






自分の成長をじかに感じて、少し唇の端を微笑ませていると、レイと目が合った。










『何ニヤけてるの? なんか変なこと妄想してた?』





「も、うそう……別になんもしてないしっ」











ムキになって言い返す。