それを忘れるな。
「……自殺をやめることはできない。だって、私は……」
それ以上何も言えずにただ唇を噛み締めてゆるゆるとうつむいた。
『あんたは一生変われない』
田中の言葉が、ぐるぐると頭の中を回っていて、どうしても勇気が出ないんだ。
いじめに抗うこともできずに、いいように使われる自分を変えたい。
それはきっと私の本心で。
でも、そう思っていても、行動に移すことは想像以上に難しくて、臆病な私は、結局何にも、できない。
変わりたくても、変われない。
それならば、死んで、新しい体をもらって、新しい人生を歩むしか、ない。
そのために今は……死んで、逃げることが最善手だと。
そう……私は、信じている。
私は顔を上げると、レイをまっすぐに見つめて、本心を声に乗せた。
「私は、自分を変えたいから」
『……そっか』
レイは何か言いたげにうっすら口を開きかけたけど、途中でやめて、一瞬静かな微笑を浮かべた。
その微笑はどこか切なげで、私は目を大きく見開いたけど、レイはすぐに明るい笑顔でそれをカバーしたので、すぐに見えなくなった。
『まぁ、今日はとりあえず楽しもうよ。そんなのは全部いったん忘れてさ』
「えっ、いや。私がここに来たのは―……っ!」
『せっかく遊園地来たんだからめいいっぱい楽しもうよ?』
「はぁっ……⁉ レイ、話聞いてる⁉」
『さあ行こー!』
あはっと明るい声を上げて、そういうレイに私は慌てて反論しようとするけど、レイがまたくいっと指を動かして、強制的に歩き出す。
こいつ……昨日言ったこと忘れてないよね?
約束したよね?
イラっとして眉間にぴきっと血管が浮いた。
と、気が付く。


