死にたがりな君と、恋をはじめる

嗚咽が漏れそうになるのを必死で抑えていると、田中はもうそれ以上何も言わずに、

帰ってしまった。






『……奈月、大丈夫?』


「っ……だいじょ、ぶ……っぅ」






田中と入れ違いになるようにレイが飛んできて、私はそいつを見上げた。







「……なんで、助けて、くれなかったのっ……?」

『……』





そう聞いてしまって、すぐに後悔した。






失敗した……これじゃあ、まるで、レイからの助けを期待してたみたいじゃない。



レイは戸惑ったかのようにぱちぱちと瞬きして、それから目を伏せた。







『今はその時じゃないって思ったんだけど……ごめん』


「……別に、期待してたわけじゃないし。大丈夫……」





そう言うと、レイは、こちらを見つめた。






『……目立つ所に外傷はないね、誠おばさんにはバレなさそうだ』


「……そうだね」





それは、本当に心配しているのか。

微妙な言葉に、私は微かに笑った。