死にたがりな君と、恋をはじめる

田中の顔が近付いてきて、せき込みつつも彼女に目を向けた。





「何だか今日は様子が変みたいだったけど、……変わりたいなんて思っても無駄だよ?」


「っは……?」







もう田中の顔にはさっきの面影はなく、もうかわいらしい笑顔を浮かべていた。








でも瞳だけは光が灯っていなくて、ぞっとする。





怖い……もう、逃げてしまいたい……。



そう思ってしまって、俯きたくなるけど、どうしても田中から視線がはずせない。




そんな私の様子に、田中唇にうっすらと笑みを浮かべた。






「あんたみたいな、臆病者は変われない。こんな日常から逃げることもできずに、

社会にでてもいいように使われて終わるのよ」






先ほどまでとは打って変わって優しい笑みを浮かべた田中に、

私は呆然としてしまう。






何も変えられずに、一生を終える……?




その言葉が何度も頭にこだまして、とらわれてしまう。



どくんと心臓が嫌な音を立てた。