死にたがりな君と、恋をはじめる

……ほら、来た。






「ところでさ~……佐川ちゃん、今から時間、ある?」


ほら、結局これが目的だ。




にこにこと笑っているようで、目の奥には暗い闇が広がっている。



そんなこいつの姿は……とても、不気味だ。




私はこちらをまっすぐに見つめる視線に、ゴクリと息をのみ込んだ。






そして……その決まり文句を断ることもできずに、頷いてしまった。








昨日に引き続き、連れてこられたのは旧校舎裏で。



目的地に着くなり、田中はこちらに笑いかけた。







「ねぇ……、私、言ったよね? 私は勘違いしやすいから、

勘違いされるような行動はやめろって、それなのに……何、今日の」






最初は笑っていたのに、語尾に笑みは含まれていなくて、

背筋に冷や汗をかくのが分かった。