死にたがりな君と、恋をはじめる

誠おばさん、鋭い……。



うっかり寝ていないことがばれてしまいそうで、私は曖昧に笑った。






「食欲ないから、紅茶だけいただくね」


「そう? お大事にね」





誠おばさんはなお心配そうな顔をしつつ、でも、もうそれ以上何も言わなかった。







私は、紅茶を飲み終えると、カバンを持って、家を出た。






「行ってきます」


「行ってらっしゃい、気を付けてね~」





体調が悪いことを悟られぬようにいたって普通の口調で言う。



ばたんっと扉を閉めたとたんに膝から崩れ落ちそうになる。



いや、レイの支えがなければ、本当にそうなっていたかもしれない。







支えられていると、倒れ込むということはなくても、歩くということはとても困難で、

学校に行くまでの時間は、いつもの倍以上かかってしまった。






結局学校に着いたのは、二限目が終わるころで、がらっと教室を開けると、

クラスメイトの視線が一斉に私に向けられた。





「せんせー、佐川さん、来ましたー」




クラスメイトの一人がそういうと、担任の教師は、こちらに視線をやった。