私は、レイの視線に気が付いて、両手をぎゅうっと握りしめた。
「……親から、だよ。父親」
「……あぁ」
納得したように目を細めたレイに、俯いた。
「私……馬鹿みたい……」
『え?』
「少しでも、もしかしたら、誕生日のこと祝ってくれるかもしれないなんて、思って、期待して……」
そこで言葉を区切ると、目頭が熱くなって、唇を嚙み締めた。
「本当に私、馬鹿だ……っ」
今日、誠おばさんに甘やかされて、舞い上がってしまった私が恥ずかしい。
誠おばさんに大切にされていても、私が親に嫌われていることは変わらなくて、私はそれを今まで忘れていた。
あの人にとって私はただ血がつながっているだけで何の関係もないのに。
私は一瞬でも愛された子供なのだと、錯覚してしまった。
それからレイは、何も言わなくて。
否定することも、肯定することもしなくて、それが何だか楽だった。


