死にたがりな君と、恋をはじめる


ぱちぱちぱちっと高速で目を瞬かせて、固まってしまう。





そんな様子の私に、レイは首を傾げた。






『お誕生日おめでとうって……奈月、今日誕生日だったの?』


「えっ⁉」








そう言われて、慌ててプリーツスカートのポケットからスマホを取り出す。





カレンダーアプリを起動して、日付を確認すると。




画面には、9月8日という数字が浮かび上がっていた。




え……本当に、今日私の誕生日じゃん。


色々ありすぎて、本気で忘れてた……。





いくらか呆然としつつ、誠おばさんに目を向けた。




誠おばさんは、私の反応を今か今かと待っているようで、目を爛々と光らせていた。


私はゆっくりと唇の端を持ち上げると、おばさんに笑いかけた。





「ありがとう、誠おばさん。……祝ってくれて、私、本当にうれしいよ」





じんわりと顔が熱くなるのを感じて、自然と頬が緩む。





誠おばさんはぱぁぁっと表情を明るくして、私の手を引いた。






「喜んでくれてよかったよーっ!

ねぇ、見てみてっ、奈月ちゃんのためにご馳走作ったの!」





手を引かれるままになっていると、そこはリビングだった。






でもいつもとは違って、紙テープで綺麗に飾りつけされ、テーブルには、

色とりどりの料理がのっていた。