死にたがりな君と、恋をはじめる


……いいなぁ、ああいうの。






『奈月?』


「っ、あ……」






レイの不思議そうな声で、ハッと我に返る。






『……?』



レイは不思議そうな顔で私の視線を辿り、そして家族の姿を見つけると、

複雑そうな顔をする。





『あのさ、奈月……』

「……早く、行こう」





何か言いたげに少し口を開いたレイに、私はプイっと踵を返して歩き出した。






うらやましくなんて、ない。


……あんな人たち、私の家族でも何でもないんだから。








それからはただ無言で早足で家まで帰った。






「誠おばさん、ただいまー」


『ただいまー』






私とレイが言うと、誠おばさんはきらきらきらっと目を輝かせて、

それからクラッカーを取り出した。







「お誕生日おめでとう! 奈月ちゃんっ」




パーン、パーンッ





と、クラッカーを鳴らされて、色とりどりの紙テープが宙に舞った。






「……え?」






数秒経って、私はようやく声を漏らした。






え……え? 待って、何、これ?






状況が呑み込めない……。