死にたがりな君と、恋をはじめる


『っていうか、女子って陰湿だよね~。

こんなとこに呼び出していじめるなんてさ』





「本当にね。そもそもいじめ自体が幼稚で子供じみてるよね」







レイの言葉に、私は吐き捨てるように続けた。






そんな私の様子に、『うわ、怒ってる』と呟いたレイを無視して、

私は、カバンを持ち直した。






「さ、早く帰ろ。また誠おばさんに心配かけちゃう」


『誠おばさん、誠おばさんって、奈月って結構マザコン?』


「うっさ。それに、誠おばさんは叔母だから、aunt complexでアンコンでしょ」


『へぇ、発音いいね。英語がわかるなんて、奈月って頭いいんだ?』


「馬鹿にしてんのか」






そんな話をしつつ家へ向かう、途中。



一組の家族とすれ違った。







「ねぇ、ママ。僕あいすくりーむ食べたい~」


「え~? さっきご飯食べたばかりでしょう?」


「ははっ、いいじゃないか。なぁ、マー君、アイス食べに行こうか」


「もう、あなたったら甘いんだから……」


「えへへっ、パパ大ぁ好き!」


「あははっ、パパもマー君が好きだよ」


「ママも入れて頂戴よ」




会話をしつつ笑顔を見せる、子供と、両親。





そんな仲睦まじい家族の姿を、私は無意識のうちにじっと見つめてしまう。