死にたがりな君と、恋をはじめる


言われるがままついていくと、馴染んだ光景が目に入った。




放課後の、旧校舎の裏。





うちの学校には、古い、今は使われていない旧校舎が取り壊しにならず、

置いておかれている。






……今思えばうちの学校って、山に面していたり、旧校舎があったり、なかなか田舎だな。





まぁ、それは置いておいて。




旧校舎には、運動部が旧体育館に来るくらいで、






ほとんど人は来ないといっても過言ではない。



そんなところでいじめるなんて、田中の陰湿さがすごく際立っている。



連れてこられるなり、田中は笑顔を消して、醜い本性をさらした。





「ねえ、佐川ちゃん。今日遅刻してきたの、おかしくない?」


「おかしいって、何が」






静かに問いかけてきた田中に、私は首を傾げた。




「え、だって、私ら校内であったじゃん。あの時間で、

あの場所にいたら普通は遅れそうになるのもおかしいでしょ」



「……今までだって、こんなことたくさんあったよ」







あんたのせいでね。


上靴の中に画鋲を入れられたり、隠されたり。





随分なことをされたよね。そのせいで私に何度遅刻が付いたことか。