優しく頬を撫でられて、私は無言で拳を握りしめた。
お母さんは……私のこと本気で愛してたって……過去形で言われても、何の意味もない。
何も言ってほしくないという気持ちが通じたのか。
何も言わないで、何の反応も示さないでいると、誠おばさんは空気を読んで、話を変えてくれる。
「私は奈月ちゃんのことを本当に大切に思ってるよ。……私はそんな子の事をわかりたくて、奈月ちゃんがこの家に来てからというもの。表情からいつも考えを読もうとしてたんだ」
「っえ……」
その言葉に、目を大きく見開いた。
それって……。
放心状態で誠おばさんを見つめる。
それって……誠おばさんが私のことをわかってくれたのは、人の心を読む超能力があるとかなんかじゃなくて……。
私の考えているが読めるようになるほど私の事を考えてくれていたということ……?
あまりの衝撃に黙ったまま何も言えずにいると、誠おばさんはフッと眉を下げて、苦笑した。
「奈月ちゃんは……気持ち悪いと思う? ただの親戚が奈月ちゃんの事をずぅっと考えていたなんて」
「い、や……」
誠おばさんの問い掛けに、私は小さく首を横に振った。
気持ち悪い、なんて思うわけ、ない……。むしろ。
……うれしい。
頬がじんわりと熱くなって、口元が無意識のうちに緩む。
照れを隠すように口元を手で隠す。
それでも、言わなきゃ伝わらないと思うから、誠おばさんをまっすぐに見つめた。
「全然、気持ち悪くなんて……ない、よ。むしろ……ありがとう。めちゃくちゃうれしい……」


