死にたがりな君と、恋をはじめる







「い、いや……あの。誠おばさん……」






「……」











慌てて弁解するも、誠おばさんは黙ったまま、何も言わない。












誠おばさんはゆるゆると俯いていて、表情が読めないから、ますます慌ててしまう。














「あ、はは……ごめんなさい。こんなデリケートな話聞いちゃって……困る、よね。無視して、忘れてくれて全然いいよ……」





「――別に、止めようとしないよ」








「……え」
















誠おばさんの声に、一瞬言葉を失った。














止め、ない……? なんで、止めてくれないの……?









――……私のことがどうでもいいから……?


















心臓がドクンの痛いほど波打って、私は胸辺りの服をぎゅうっと握りしめた。















「な……ど、どうして……? だって、止めなかったら、死んじゃうんだよ……?」








そういった私の言葉はどうしようもなく震えていて、もう緊張を隠すこともできない。












焦って、まるでおばさんを責め立てるように聞いてしまって、また後悔する。




















馬鹿だ……私。










聞いたのは私なのに、誠おばさんの言葉に勝手に落ち込んだりして、本当に馬鹿だ。










……本当は止めてほしくて、だから私はこんなにも動揺しているんだろう。











だけど止めることを強要することなんてしてはいけないんだ。














そんな考えに行き着いて、また後悔でゆるゆると俯いてしまう。












勝手に聞いて、勝手に後悔して。









うなだれた私に、誠おばさんは優しく私の髪を撫でた。