死にたがりな君と、恋をはじめる

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「……で。話って何?」













待ち望んだ放課後。











私はいつもの場所……旧校舎の裏で田中と対峙した。














田中は昼間の動揺が嘘のように、落ち着いた声色でこちらを見つめた。














単刀直入に聞いてきた田中に、私の方が少し戸惑ってしまって、パチパチと目を瞬かせた。























……ここにクラスメイトはいない











さっとあたりに視線を巡らせるけど、人は一人も見当たらない。















だから仲良しこよしアピールをする必要は、ないはず。















私は笑みを消して、まっすぐに田中を見つめた。















「田中はさ」







「は?」















ふと呟く。















「なんで私の事をそんなにも嫌うの?」











「は?」















静かに問いかけると、あからさまに眉をひそめられた。











それからスッと私から視線を外す。














「……そんなの、理由なんてないわよ」









「そんなの嘘」











田中の言葉にかぶせるようにそういうと、田中は唇を噛み、声を荒げた。











「っ……あんたになにがわかんのよ! なんとなく、なんとなくあんたを見てるとイライラするの。それだけだから!」












「……わからないよ」













「はぁ⁉」















口を小さく動かすと、田中は眉を引き上げた。












私はゆるゆると俯いた。















「――わからないよ。私は田中じゃないもの」




「っだったら!」