学食に着くと、入ってすぐのテーブルで仁さんと龍平さんが二人でゲームしていた。
俺たちに気付く。

「おう、なんで一緒に来てんの」

仁さんがニヤニヤして言う。

「え、もしかして・・・」

龍平さんが勘ぐってきたところで、先手を打って俺が口を開いた。

「付き合いましたー」

一気に二人が「うぇーい」「きたー」と驚きの声を発する。

「えーまじでー!いついつ、いつよ?」

仁さんが前のめりになってきたところで、綾香が「授業行ってきまーす」と俺から離れる。
その時に、今まで全くなかったのに初めて目が合った。
キュンとしている間に、綾香は学食の出口の方へと向かっていった。

綾香の後ろ姿に見惚れてる俺を、仁さんと龍平さんがニヤニヤ見てくる。

「お泊まり?昨日お泊まりしたの?」
「やった?もうやっちゃったかい?君たち」

ゲスい質問攻めに遭う。
俺は椅子に腰かけながら、なるべく普通に言う。

「やっちゃいました、俺たち」

俺の答えに、二人とも興奮を隠しきれないように目を見開く。

「いつ?いつ付き合ったの」
「昨日です」
「じゃあいつやったの」
「昨日です」

仁さんと龍平さんは口元に手をあてて「あらら」「今どきの子たちは早いわね~」とおばさんの世間話のように盛り上がってる。