私の布団に並んで転がり込むと、悠人が私の首の下に腕を通してきた。
肩から胸寄りの凹みに頭を乗せてゴロンと体ごと悠人の方を向けると、悠人もまた私を向く。

恋愛ってこういうことを言うのかなあ。

「ねえ」

悠人の低い声が響く。
見上げるとすぐここにある顔。

「やっぱりさあ、ちゃんとしようよ綾香さんさあ、簡単にキスさせちゃダメよ、やっぱりハッキリしよう」

そういう目だけが私を見る。

「ねえ、合宿の車の時から思ってたんだけど『私待ち』って何」

悠人の目が私から逸れて天井に向けられる。

「綾香が俺の方向くの待ち」
「それなら私は結構もう悠人を見てるよ」

私の手は悠人の胸を撫でる。
もう私のこと奪ってってよ。

悠人が空いていたもう片方の腕をずしんと私の体に横たわらせる。
ググッと引き寄せてくれた。

「付き合って」

私だけに届く悠人の低い声。
私は頷いた。

頭の中では飛び跳ねる私がいた。

悠人の胸の中に埋もれる感覚が幸せそのものだった。
これは恋人ごっこなんかじゃない。

ああ、このまま悠人とくっついていたい。