私は、小学校からずっとその人のことが好きでした。

ずっとその人はバカがつくほどのサッカー少年でした。

ずっと好きだった。

その人しか見てませんでした。

いわゆる、ひとめぼれってやつでした。

そして、中1の夏

私は彼に告白しようと決めました。

そして、決意した1週間後

放課後に呼び出して

「ずっと前から好きでした。」

なんて、テンプレなセリフで

暖かな日差しがさす屋上で

その人、柳 颯太に告白をしました。

でも、私はその時には結果を知ってた。

その人に好きな人がいることを

その子が私ではないことも

だから

「ごめん、俺ほかに好きな子がいるんだ。」

「やっぱり?知ってた。」

強がって、

「でもありがとう。」

「こっちこそ、来てくれてありがとね。」

笑顔で

「じゃあ、俺部活行くね。」

「あ、あと一つだけ。」

「なに?」

そう、最後に

「颯太と颯太の好きな人、絶対両想いだと思うよ!

 信じてもらえないかもだけど応援してる。」

そう言って、私はその場から逃げました。

部屋に入るまで私は仮面の笑顔を張り付け続けました。

私のこの笑顔が『嘘のものであること』に気づいた人はいたのでしょうか。

きっと、彼なら気づいてくれたでしょう

彼は人のことをよく見ていて

全ての人にやさしかった。

でも、彼の心に私が映ったことはなかった。

一度だけ彼と公園であったことがあります。

その時、すごくくだらないことで

1時間ぐらい話し込みました。

すっごく楽しかった。

でも、それでも、あなたは私を見てなかった。

話せて、うれしかった。

君に近づけた。

そう思ったのに

彼の話にはいつもある人の名前が出てきました。

「それがさ、その時ここねがね。」

「ここねってドジっ子だよな。」

「ここねって、、、」

もうやめて、そう思った反面。

良かったって思う自分もいて。

やっと、4年間の長くてつらい片思いに終止符を打てるって。

そう思ってしまった。

彼のことは好きだけど、

こんなに私以外の子を想っている人を好きでい続けるのは

ただの強がりでほんとはすっごくもろい私には

できなかった。

今までも意地だった。

彼が他の人と付き合ったとか

誰々に公開告白したとか

誰かのこと好きなんだって

そんなことを聞いても

まだ好きって気持ちが何度も出てきて

きっと

『一途な自分』

そういうのもいいなとか思ってたんだと思う。

意地でずっと好きでいれば

きっと、、

もしかしたら、、、

なんて期待して

『バカみたいだ』

素直にそう思った。

だから、その時笑顔で相槌を打ちながら

『潔く、振られよう。』

そう思ったんです。

そして、振られました!

でも、振られるってわかっていても

つらいものはつらくて

寝る前、布団のなかにはいり、思う存分泣きました。

この四年間の片思いの間

たくさん泣きました

その分、彼を見て

たくさん笑いました

彼と席が近くなった時

たくさん話して

周りの男子とかとふざけあって

今思えば、最初から女子としてじゃなくて

友達という枠を守ってそばにいた気がします。

振られたばかりの時は

もう少し女子っぽくしてればとか

もっと一緒に遊んでいればとか

思っていたけど

これでも、

結果がこんなでも

『これが私の初恋です。』

もう後悔はしていません。

「初恋は叶わないもの。」

私の場合はそうだった。

彼は、颯太は今はその『ここね』ちゃんと仲良くやってます。

毎日のように一緒に帰っているのを見かけて

心の中で素直に応援しています。

でも、彼と笑いあって、走り回った小学校、

たわいのない話で盛り上がった、中学校の日々は永遠に

私の大切で脆い青春の一部になると思います。

爽太、最後自分を納得させるために

わざと振られるようなことして

『ごめんね』

もう、私からは連絡しない

きっとこれから話はしなくなると思う

だから

『さようなら』

そして、私に素敵で夢中な初恋をくれて

『ありがとう』