「それって、改善したってことじゃないの?」


「わからない……」


あたしは自分の手のひらを見つめた。


アレルギーのような症状が出ていたのは小学生の頃だ。


もしかしたら、体の成長と共に免疫がついたのかもしれない。


「給食って、結構近い距離で食べたんだよね?」


「うん。あたしの隣にいた」


「それで症状が出ないなら、きっともう大丈夫なんだよ!」


咲子があたしの手を握り締めて言った。


もしかしたらそうなのかもしれない。


そうだとしたら、あたしは船見くんと普通に恋愛することができる。


想像するだけで顔が熱くなっていくのを感じて、あたしは両手で自分の頬を包み込んだ。


「よかったじゃん! これからはもっとガンガンせめて行かないよね!」


「ガンガン攻める?」


「そうだよ。だって船見くんのライバルは多いんだもん、愛美だって、もうわかってるんでしょう?」


そう聞かれてあたしは昨日の出来事を思い出した。


女子生徒から忠告されたことは咲子には言っていなかったが、それくらいのことは想定内なのかもしれない。