ジェラールに不思議そうに見返され、ミレイナはハッとした。ラングール国にはペットを飼う習慣がない。ということは、ペットショップもないはずだ。
(新しく商売を始めた人がいるのかしら?)
どんな状況でもちょっとしたチャンスを見出して商売を始める商魂たくましい人というのは存在する。ラングール国でもそういう人がいて、新たなペットビジネスを始めたという可能性もある。
(良識のある人だといいけど……)
ごくまれにいる、動物を商品としかみない悪徳業者でないことを祈るばかりだ。取り締まるにも、ラングール国にはその仕組みもない。
(ん? そうだわ)
今まさにペットビジネスが始まったばかりなら、今のうちにきちんとしたシステムを作ればいいのではないだろうか。
(そうよ。そうするべきだわ!)
問題が起こってからでは遅すぎる。知識があるからこそ、自分が提案すべきだと思った。