[恐らく、飛んで連れ去られたのではないかと思っている。そうであれば、俺達に匂いは辿れない]

 ゴーランが険しい表情で言うのを聞き、三匹のフェンリル達は顔を見合わせた。ゴーランが探せないのに、自分達に探せるのだろうかと不安だけが募る。

 上空には何匹もの竜が飛んでいるのが見えた。きっとミレイナを探しているのだろう。けれど、この暗闇で探せるとは到底思えなかった。

 そのとき、ラトがおずおずと口を開く。

[飛んで連れて行かれたなら、私が鳥さんに見かけなかったか聞いてくるわ。ミミズクの声がするから、もしかしたらミレイナを見かけているかも]
[そっか。もし見ていたら、そっちの方向を探せば見つかるかもしれないぞ!]

 シェットが名案だと言いたげに声を上げる。

 ラトは周囲を見渡し、ミミズクが一番沢山留まっていそうな木にするすると登ってゆく。そして、数分後に戻ってきた。

[竜人のふたり組がしばらく通り沿いをうろうろした後、向こうの方角に飛んでいくのを見たって]
[ミレイナは連れていた?]

 シェットが尋ねる。