セシリアと別れた後、ミレイナは今日受け取ったサンプル品を袋に入れると、それを持って魔獣舎へと向かった。

「あ、ミレイナ。随分大荷物だけど、どうしたの?」

 魔獣舎で魔獣達の遊び相手をしていたリンダが、目を丸くする。

「ブラッシング用グッズのサンプルができたから持ってきたの」
「ブラッシング用グッズって?」

 リンダは首を傾げる。

「こういう物よ」

 ミレイナは先ほど届いたばかりのブラシ類を取り出す。リンダも先ほどのセシリア同様に、どうしてこんなに種類があるの?と不思議そうな表情をしていた。

[ミレイナ、それなんだ?]

 ミレイナが見慣れない物を持っていることに気付いたシェットが走り寄ってきた。エミーユやイレーコ、ラトも後から走ってくる。

「これはね、ブラッシングブラシよ]
[いつものやつと違うわ]

エミーユは不思議そうにミレイナの持っているブラシを見つめる。

[ふふっ。エミーユ、ブラッシングをしてあげるわ]
[本当? ありがとう]

 ブラッシング好きなエミーユはミレイナの前にちょこんとお座りする。
 これまでのものとの違いは、使ってみるのが一番わかるはずだ。

[今日届いたばかりなのよ。使った感想を教えてね]
[うん]