1ページホラー学校編

人体模型
(14歳男子、中学2年生)

これは夜の小学校に弟と弟の友達とで忍び込んだときの話です。

弟の通う小学校(僕も通っていましたが)には人体模型に関する怪談が多くありました。

人を襲うとか、心臓が動き出すとか、生徒と入れ替わっているとか。

いずれも夜に人体模型の怪異が起こることが共通していました。

そこで夏休み中、暇な弟と友達で盛り上がり夜行こうと言う話になったのです。

ただ、小学生だけでは心細いということで僕も付き添うことになりました。

いつも舐めてる弟にいい所を見せようと思ったのもありますし、僕自身楽しそうという好奇心が勝ちました。

いざ夜の学校に入ると真っ暗で通っていた懐かしさよりも恐怖の方が強かったです。

弟たちもビクビクしていました。

理科準備室は1階の端にあるのですぐ目的地に着きました。

ただ、教室の鍵が空いていないので中には入れず、ドアの窓から人体模型を探しました。

おかしい。

前はドアの窓から左手に見えるはずなのにないのです。

弟たちも置いてある場所は僕の頃から変わっていないと言います。

窓から見える範囲で探しましたが、結局置いてなさそうでした。

弟たちはきっと今人体模型は動き出して校内を徘徊しているんだと興奮気味で話していました。

僕達はそのまま玄関に引き返しました。

すると玄関に人影がありました。

怒られる!

そう思って玄関にある下駄箱の影に隠れました。

ところがその人影は直立不動のままでした。

おかしいなと思って近くに寄ると臓が止まりそうになりました。

弟たちもそうだったと思います。

それはあの人体模型だったのです。

人体模型のそばで立ち尽くしていると「わははは」と後ろから笑い声が聞こえてきました。

振り返ると用務員の腕章をつけている年配の男性が立っていました。

わけがわからず、僕たちは男性を見ていると

「校舎に入っていくお前らが見えたから、からかってやろうと思ってな。肝も冷えただろう?さ、帰ってくれ。今日のことは言わないから」

そんな説明をしてくれました。

僕たちは謝って帰りました。

それから帰り道弟の友達がぼそっと言いました。

「あの人、近所のおじさんだけど、この間葬式を上げてたよ」