華奢なのは相変わらずだったが、ずいぶん背が伸びて顔つきも大人びて――あの頃のハルはもういないのかと勝手に落ち込む。


「ただいま詩乃(しの)


「ハルのばか!! どうしてお母さんのお葬式来なかったの、あんなによくしてくれたの忘れたのっ……」



黙っていられなかった。



髪はぼさぼさ、涙で顔はぐちゃぐちゃ。



まだ一人前じゃないにしろ、言葉織を継いだ身なのに、酷い言葉をハルに浴びせる始末。きっと母は嘆いているに違いない。



私は、サイテーだ。



悔しくて。


悔しくて。



唇を強く噛み、血がうっすらと滲む。



ハルの表情は静かなものだった。そこから何かを読み取ることができるほど、私は言葉織としては酷く頼りない。蝋燭の灯火のようなものだろうか。