君じゃなきゃ。



「お……お風呂入って、すっすぐ寝ました……よ?」


動揺が隠せない。


健人がすぐ隣で聞き耳立てているのかと思うと……胸が苦しくなる……。


健人に聞かれたときに正直に答えなかった自分に腹が立つ。


「相川さんのマンションは駅から近くて便利だよね~」

「あ!そうなんですよ~……」


先輩、お願いだからエレベーター降りるまでもう少しその話題に触れないでください。


心の中で静かに手を合わせた。



チンッ。


手を合わせたかいあってか、19階に到着。



体中冷や汗を垂らしながら先輩の後にエレベーターを降りようとしたとき……腕を掴まれた。