君じゃなきゃ。



気分を重たくしながら、ハァ……と小さくため息をついて、あたしも視線を元に戻した。

目の前には竹下先輩のスタイルの良い細身な背中。



健人はもうちょっと筋肉質で……抱きしめたら厚みがあるんだよな……。

竹下先輩はどんな感じなんだろ……。



なんて朝から変なことを考えていると気がついたときにはエレベーターの人が少なくなっていた。


……あれ?5人しかいなくなってる……。


今の数倍はいた人達はどんどん降りて行ってしまったのだ。


どうしよ……。

健人と先輩とあたしの3人だけになったりしたら……。


そうなったら、あたしだけかもしれないけど……気まずい。