企画課の部屋に入ると、竹下先輩はコーヒーを淹れ始めた。
「相川さん、まだ寝てるんじゃないの? ほら、このコーヒーで目でも覚まして」
「わ~! ありがとうございます!」
竹下先輩はあたしにブラックのホットコーヒーを差し出してくれた。
「相川さんは朝ブラックで昼ミルク1、それで夜はまたブラックなんだよね」
「お、覚えたんですか!?」
「まぁね。最近一日中一緒にいるでしょ? 覚えちゃうよ」
そう、最近新しいプロジェクトをあたしと竹下先輩の二人で任されていて、ずっと二人で企画を練って試行錯誤している。
一日中いるからって……覚えてくれるものなの?
健人があたしのコーヒーの飲み方を知っているのかさえ怪しいというのに……。
「じゃ、昨日の続きしよっか。そのために早く来たんでしょ?」
「はい! もちろんです!」
先輩は仕事に対してとっても熱心だからすごく勉強にもなるし、こっちも頑張ろうっていうエネルギーももらえる。

