君じゃなきゃ。



「だから杉浦くんはさくらの信頼に応えなきゃダメなの!」

「そっか……」

「自分の欲望を抑えてこそ男よ!?」

「わ……わかりました!じゃぁ次からは頑張ります!」


健人はメグミに向かって拳を固く握る。

素直というかものわかりがいいというか……本当に単純なんだから。


でもなんだかメグミは自分に言い聞かせているような気もする。

あんまり手を出されないのは大切にされているからって。


そんな風にメグミを見ていると隣の健人が背筋を正してこっちを見てきた。

「さくら、安心して酔っていいよ!」

「ホント?」

「…………でも落ち着いたら触っていい?」



……ダメじゃん。