君じゃなきゃ。



耳に唇がついちゃうんじゃないかってくらい近づけられて、頭に直接健人の甘い声が響く。


「じゃぁ……今日はお泊りってことでいい?」

「う……」


結婚のオッケーはしたけど……やっぱりそれとこれは違うような。

健人といたら甘い気分になっちゃって、力抜けちゃうのに……そんな状態で仕事できるかな。


でもそういうのにも慣れていかないとな……。


あたしがしばらく考え込んでいると、健人はしびれを切らしたように


「わかった!じゃぁさくらが酔っちゃったら強制お泊りね!?」


と、いたずらっ子のような笑みであたしに言った。


……なんだかその笑顔が怖いんですけど。