その後、仕事は順調に進みプレゼンのリハーサルも何度も行い、完璧な状態にしたところで終業時間がきた。
今日は残業なしで帰れそう。
パソコンの電源を落として片付けをしていると先輩も机の片付けを始めた。
「先輩も今日は残業なしですか?」
「うん、実は課長に飲みに誘われてて……明日は大事な日だっていうのに」
「ホントですね。でも逆にプレゼンのことから頭が離れて気が抜けていいんじゃないですか?」
「や……。僕にとってはプレゼンより……」
そう呟いた先輩があたしを真っ直ぐ見つめてくる。
……えっと……
プレゼンより……の先の言葉は……あたしにとっても大事なことだったりします……よね?

