君じゃなきゃ。



その言葉を聞いた健人は一瞬驚いたように目を丸くし、それから苦しそうな弱々しい表情になった。


「なんで?!なんで俺に会いたくないの?なんで……?怒ってるし……そうやって……俺を避けようとするの?」

「なんでって……」


怒ってることに気づいてるのに、その原因が自分にあるって思わないのかな。


酔って覚えてないなら、メグミに昨日の話を聞いてみるとかしないのかな。


通話履歴見て変に思わなかったのかな。



「そういうのは自分で気づきなさい!」

「そんな!さくらっ!言ってくれなきゃわかんないって!」


健人の子犬のようにすがる目に弱いあたしだけど……そろそろ……限界かも。