君じゃなきゃ。



会議室の前まで行くと、やっぱり鍵は開けっ放しになっていた。


……もう!

健人っ!!



「鍵……開いてたね」

先輩は苦笑いでドアを開けた。

「す……すみません……」

「相川さんが謝ることじゃないでしょ。杉浦くんが閉め忘れたんだから」

「そうですけど……」


でもなんだか一緒にいた身として謝ってしまう。


「でも杉浦くん鍵とかちゃんと閉めて帰りそうなのに……どうしたんだろうね」


そう。

健人は軽いところもあるけど、仕事に関しては責任感があるし、案外キチンとしている。

鍵を閉め忘れるなんてしそうにないけど……。