君じゃなきゃ。



「あっ!そう言えば昼休み始ってすぐ営業課の……なんて言ったかなぁ……若い子!」


一緒に探していた人が思い出したように声を上げる。



……まさかまさか。


あたしの頭には昼休みのことがよぎる。


「思い出した!杉浦くんだ!」


……やっぱり。


「杉浦くんが鍵を持って行ってたから……もしかしたら営業の方で会議でもあるんじゃないですか?」


先輩は反応をうかがうように一度視線をあたしに向けたが、すぐ一緒に探していた人に戻して

「ありがとう。じゃぁ他の部屋を探してみるよ。行こう?相川さん」

と、あたしの肩をポンッと叩いて去って行った。