君じゃなきゃ。



「あれ~……先輩、遅いなぁ……」


鍵を取りに行くだけなら1分もかからないのに。

5分を過ぎても先輩は戻ってこなかった。



「先輩?どうしたんですか?」

様子を窺いに鍵のあるところへ行ってみると先輩と他の人が一緒に床に這いつくばったり、鍵のかかっているところを見たりしている。


「あぁ……相川さん。実はね……会議室の鍵がないんだよ」

床に這いつくばった先輩が顔を上げて理由を話す。


……高そうなスーツが汚れちゃうよ……。


「どっかが使ってるとかじゃなくてですか?」

「予約表では空いてるんだけどなぁ……」


先輩はどこかに落ちていないかとまた探し始めた。


……会議室か……。


……まさか……。