君じゃなきゃ。



しばらくその疑問が頭から離れなかった。


先輩が入れてくれた少し苦めのお茶は頭をスッキリさせてはくれたけど、気持ちはスッキリさせてくれない。

仕事が始まって頭は仕事でいっぱいになったけど、ふと隣を見ると先輩の真剣な顔つきに心が揺れた。




「……よしっ!できた!」

「良かった……!案外なんとかなりましたね!」


今日中に終わるかどうか、心配だった資料のやり直しは就業時間2時間前に完成した。


「これから会議室でもう一回リハーサルしよう!」

「はい!……あれっ?でも会議室予約とってませんよね?」

「大丈夫!さっきチェックしたら今日は午後から空いてるみたいなんだ~……ちょっと鍵とってくる!」


そう言って先輩は軽い足取りで鍵を取りに向かったので、あたしはリハーサルをするための準備を整えることにした。