君じゃなきゃ。



何も言えず先輩の顔を見つめることしか出来なかった。

無力な自分が悔しい。


そんなあたしを気遣ってか先輩は

「でも朝、相川さんに会えて少し気が紛れたんだよ?今もほら、アダプタも解けたしね?」

と、立ち上がってきれいに解かれたアダプターを見せてくれた。

それにつられてあたしも立ち上がった。


「……仕方ないんだ。付き合い始めたときから僕のことあまり信じてなかったみたいで……浮気してない?とかよく聞かれてたんだ」

「先輩は昔からモテてたんですね」

「そんなことないよ。でも……彼女は僕自身より噂を信じていたみたいだけどね」


だからあたしに健人の噂について聞いてきたんだ……。


彼女も先輩みたいにモテる人を彼氏にして気が気じゃなかったのかな……。