君じゃなきゃ。



「すいません……」

「ごめん、相川さん!」


お互いに謝り合い、あたしがファイルを拾い上げながら顔をあげると……


あたしの目の前……先輩の後ろに怪訝な顔をした健人が立っていた。



「あ……」


「どうしたの?」


固まるあたしの顔を見て先輩も後ろを振り返る。


「……杉浦くん……」


先輩もうまく声が出ていないようだった……。