ピチチチ…ピチチチ… 窓辺の小鳥が鳴いていて、目覚ましより早く起こされた朝。 「ん〜…」 寝ぼけ眼を擦りながら、一階の洗面所に顔を洗いに行く。 朝の水、いと冷し。顔面凍りたし。 そんな感じで一気に目が覚めて、手に腰を当てながら歯磨きをする。 鏡越しに目を閉じながら歩いてきた竣(しゅん)を捉えた。 私の元まで辿り着くと、覆うように手を伸ばし歯ブラシを口に入れた。